○取手地方広域下水道組合職員倫理規程
令和3年1月20日
訓令第2号
(目的)
第1条 この訓令は,職員は市民全体の奉仕者であり,その職務は市民から負託された公務であることに鑑み,職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより,職務の執行の公平さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り,もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員をいう。
(2) 管理職員 取手地方広域下水道組合職員の給与に関する条例(昭和56年条例第22号)で準用する取手市職員の給与に関する条例(昭和32年条例第80号)別表第2行政職給料表の職務の級5級以上の職員をいう。
(3) 事業者等 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。
(4) 特定個人 前号に規定する事業者等に該当する個人を除く個人をいう。
(5) この訓令の規定の適用については,事業者等の利益のためにする行為を行う場合における役員,従業員,代理人その他の者は,第3号の事業者等とみなす。
(1) 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号及び取手地方広域下水道組合行政手続条例(平成23年条例第4号)で準用する取手市行政手続条例(平成10年取手市条例第3号。以下「行政手続条例」という。)第2条第4号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等,当該許認可等の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(2) 補助金等を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人,当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(3) 立入検査,監査又は監察(法令又は条例の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人
(4) 不利益処分(行政手続法第2条第4号及び行政手続条例第2条第5号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名宛人となるべき事業者等又は特定個人
(5) 行政指導(行政手続法第2条第6項及び行政手続条例第2条第7号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人
(6) 契約(地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項に規定する契約をいう。)に関する事務 当該契約を締結している事業者等,当該契約の申込みをしている事業者等及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等
2 職員に異動があった場合において,当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が,異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは,当該利害関係者であった者は,当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に,当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは,その日までの間)は,当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。
3 他の職員の利害関係者が,職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては,当該他の職員の利害関係者は,その職員の利害関係者であるものとみなす。
(職員が遵守すべき倫理原則)
第4条 職員は,市民全体の奉仕者であり,市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し,職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等,市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
2 職員は,法令等(法令,条例,規則その他の規程をいう。以下同じ。)を遵守するとともに,公正な職務の執行を損なうおそれのある行為を求める要求に対しては毅然として対応し,常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
3 職員は,常に公私の別を明らかにし,その職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
4 職員は,法令等により与えられた権限の行使に当たっては,当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
5 職員は,職務の遂行に当たっては,公共の利益の増進を目指し,全力を挙げてこれに取り組まなければならない。
6 職員は,勤務時間外においても,自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。
(利害関係者との間における禁止行為)
第5条 職員は,次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 利害関係者からの金銭,物品又は不動産の贈与(せん別,祝儀,香典又は供花その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。
(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては,無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により,無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。
(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により,無償で役務の提供を受けること。
(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず,かつ,同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。
(6) 利害関係者から供応接待を受けること。
(7) 利害関係者とともに遊技又はゴルフをすること。
(8) 利害関係者とともに旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
(9) 利害関係者をして,第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。
2 前項の規定にかかわらず,職員は,次に掲げる行為を行うことができる。
(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって,広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。
(2) 多数の者が出席する立食パーティー(飲食物が提供される会合であって立食形式で行われるものをいう。以下同じ。)において,利害関係者から記念品の贈与を受けること。
(3) 職務として利害関係者を訪問した際に,当該利害関係者から提供される物品を使用すること。
(4) 職務として利害関係者を訪問した際に,当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)。
(5) 職務として出席した会議その他の会合において,利害関係者から茶菓の提供を受けること。
(6) 多数の者が出席する立食パーティーにおいて,利害関係者から飲食物の提供を受けること。
(7) 職務として出席した会議において,利害関係者から簡素な飲食物の提供を受けること。
2 職員は,前項の公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないかどうかを判断することができない場合においては,倫理監督者に相談し,その指示に従うものとする。
(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)
第7条 職員は,利害関係者に該当しない事業者等であっても,その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。
2 職員は,自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を,その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず,それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。
2 職員は,管理者,倫理監督者その他職員の職務に係る倫理の保持に責務を有する者又は上司に対して,自己若しくは他の職員が法令等に違反する行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実について,虚偽の申述を行い,又はこれを隠ぺいしてはならない。
3 職員は,その管理し,又は監督する職員が法令等に違反する行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実があるときは,これを黙認してはならない。
(利害関係者とともに飲食をする場合の届出)
第9条 職員は,自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者とともに飲食をする場合において,自己の飲食に要する費用が1万円を超えるときは,次に掲げる場合を除き,あらかじめ利害関係者との飲食届出書(様式第1号)により,管理者に届け出なければならない。ただし,やむを得ない事情により事前に届け出ることができない場合は,事後において速やかに理由を付して利害関係者との飲食届を提出しなければならない。
(1) 多数の者が出席する立食パーティーにおいて,利害関係者とともに飲食をするとき。
(2) 私的な関係がある利害関係者とともに飲食をする場合であって,自己の飲食に要する費用について自己又は自己と私的な関係がある者であって利害関係者に該当しないものが負担するとき。
(講演等に関する規制)
第10条 職員は,利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて,講演,討論,講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授,著述,監修,編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第38条第1項の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は,あらかじめ管理者に講演等承認申請書(様式第2号)を提出し,承認を得なければならない。
(贈与等の報告)
第12条 管理職員は,事業者等から,金銭,物品その他の財産上の利益の供与(通常一般の儀礼の範囲の香典,供花,婚礼又は国際儀礼に伴う祝儀,記念品その他これらに類するものを除く。)若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき又は事業者等と職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として次に掲げる報酬の支払を受けたとき(当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)は,当該贈与等又は支払いを受けた日から14日以内に,贈与等報告書(様式第4号)を管理者に提出しなければならない。
(1) 利害関係者に該当する事業者等から支払を受けた講演等の報酬
(2) 利害関係者に該当しない事業者等から支払を受けた講演等の報酬のうち,職員の現在又は過去の職務に関係する事項に関する講演等の報酬
(倫理監督者)
第14条 倫理監督者とは,職員の職務に係る倫理の保持を図るために置かれる職員であって,職員に対する倫理の保持に係る相談,指導,助言及び倫理の保持のための体制整備を行う者をいう。
2 倫理監督者は,総務課長をもって充て,その指定する職員に当該職務の一部を行わせることができるものとする。
(取手地方広域下水道組合倫理審査委員会)
第15条 職員の職務に係る倫理の保持に資する施策の積極的な推進及び庁内における周知を図るため,取手地方広域下水道組合倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は,次に掲げる事項を調査し,又は審査する。
(1) この訓令の遵守に関すること。
(2) この訓令の違反に関すること。
(3) 不祥事の防止対策の検討に関すること。
(4) 第13条の規定により倫理監督者から報告を受けた内容の確認に関すること。
(5) この訓令の目的を達成するために必要な職員への指揮及び啓発に関すること。
3 委員会の委員は,次長職以上の職員及び総務課長で構成し,委員長は事務局長をもってこれにあてる。
4 委員会は,委員長が招集する。
5 委員会の庶務は,総務課が行う。
6 委員会は,関係職員の出席を求め,又は知識経験を有する者の意見を聴くことができる。
7 委員会は,審査の結果を管理者に報告しなければならない。
(委任)
第16条 この訓令に定めるもののほか,必要な事項は,管理者が別に定める。
付則
この訓令は,令和3年4月1日から施行する。
付則(令和4年3月23日訓令第2号)
この訓令は,令和4年4月1日から施行する。